マルチミネラルって何の効果があるの?

マルチミネラルとは、1つの錠剤にミネラルを総合的に配合したサプリメントのことを言います。
一度に数種類のミネラルを摂取できるものの、どのような効果があるのかわからず、取り入れるべきか迷う人もいるでしょう。

忙しい毎日ではバランスの良い食事をなかなか摂ることが難しく、不足しがちな栄養素を手軽に摂取できるとありがたいですよね。

この記事では、ミネラルとはどのような栄養素なのかを説明したうえで、身体での効果やミネラルを含むサプリメントを飲む際のポイントを解説しています。

ミネラルについて詳しく知ることによって、マルチミネラルのサプリメントがあなたの食生活に必要かどうか判断できます。ぜひ参考にしてみてください。

ミネラルはどんな栄養素?


私たちの身体を構成する主な元素は、酸素、炭素、水素、窒素であり、これらを除いた元素の総称がミネラルと言われています。

ミネラルは無機質とも呼ばれ、5大栄養素の1つです。
5大栄養素とは、食品に含まれる炭水化物(糖質)、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルの5つを表します。

各栄養素の体内での働きは、大きく分けると以下の3つに分類されます。

①たんぱく質:身体をつくる
②炭水化物・脂質:身体を動かすエネルギー源になる
③ビタミン・ミネラル:身体の調子を整える

それぞれ身体に必要不可欠な役割を持ち、一つでも欠けてしまうと健康維持が難しくなります。
ですから五大栄養素をバランスよく食事から摂ることで、健康管理の効果が得やすくなります。

そのなかでもミネラルは、筋肉や神経、ホルモンの働きを調整したり、骨や細胞のもとになったりと身体を調整するうえで重要な効果を持つ大切な栄養素です。

ミネラルの種類と効果


マルチミネラルに含まれるミネラルには複数の種類があります。 ミネラルのなかでも、ヒトの体内に存在し、不足すると健康に悪い影響を及ぼす栄養素として欠かせないものを「必須ミネラル」と言い、現在13種類が必須ミネラルとされています。

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、1日の目安量が100mg以上のものを多量ミネラル、100mgに満たないものを微量ミネラルとして、基準量を設定しています。
各ミネラルの種類は下記の通りです。

<多量ミネラル>
ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン

<微量ミネラル>
鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデン


ミネラルの効果とは?

実際に私たちの身体でミネラルはどのような効果があるのでしょうか。
主なミネラルの効果を5つに分けて説明します。

①骨・歯・血液など体の構成成分になる
ミネラルのカルシウムやリンには骨や歯を構成する作用があります。
また、マグネシウムは骨や歯を丈夫にし、代謝を助ける機能があります。鉄の多くは赤血球の材料となり、全身に酵素を運ぶ働きをします。

②神経や筋肉の機能を正常に保つ
ミネラルのリンやナトリウム、カルシウムは筋肉や神経が正常に働くように促す効果があります。 これらのミネラルが不足すると筋肉がこわばり、足がつってしまうなど充分な力が発揮できない場合があります。

③ホルモンや酵素の働きをサポートする
ミネラルにはホルモンの放出を促したり、酵素を活性化させて代謝をサポートしたりする効果があります。なかでもヨウ素のほとんどは甲状腺に存在し、新陳代謝の活性化を促す効果があると言われています。

④体液の浸透圧・pHを調整する
ミネラルには体液やpHを調整する効果があり、ナトリウムは細胞外の体液である浸透圧を調整します。
また、カリウムはナトリウムを排出し、体内の浸透圧を調整したり、pHバランスを保ったりする働きをします。

⑤スキンケアや美肌効果を促進する
ミネラルの亜鉛やカルシウムには肌の再生を促進する効果があります。
不足すると肌のハリや弾力が減少する可能性があるため、スキンケアと合わせて、ミネラルを摂取し身体の内側からもアプローチすることが大切です。


ミネラルを多く含む食品

ミネラルは体内では合成できないため、日常的に食品から摂る必要があります。
ミネラルが不足すると欠乏症から身体に不調が生じる一方、摂り過ぎてしまった場合も過剰症や中毒を起こすこともあり、どちらにも配慮すべきです。

とくに日本人が不足しがちなミネラルは、カリウムやカルシウム、鉄、亜鉛と言われています。またナトリウムは、過剰摂取が心配されるミネラルです。
食事からの摂取を意識する場合には、具体的に次のような食品にミネラルが多く含まれているので、参考になさってください。

・カリウム…乾燥わかめ、ひじき、切干大根、アボカド、ほうれん草 など
・カルシウム…煮干し、切干大根、生揚げ、小松菜、牛乳・乳製品 など
・鉄…レバー(豚・鶏)、しじみ、あさり、大根葉 など
・亜鉛…牡蠣、松の実、レバー(豚)、牛肉 など
・ナトリウム…食塩、しょうゆ など
※ 可食部100gあたりの含有量を参照

ミネラルを摂取する際には、相性の良い他の栄養素と組み合わせることも重要です。
例えば、「カルシウムとビタミンD」「鉄とビタミンC」など、相性の良い組み合わせから吸収率がアップし、体内での効果が向上すると言われています。
食事では食品の種類にも目を向け、バランスの良い食事を心掛けましょう。

食事からの摂取が難しい場合は、必要に応じてサプリメントとしてマルチミネラルを活用することもおすすめです。

ミネラルが含まれるマルチミネラルサプリメントの飲み方や注意点


マルチミネラルには、複数の成分がバランスよく配合されていたり、体内で吸収されやすい形になっていたりと、食事だけでは不足しがちなミネラルをサプリメントで補えるメリットがあります。

マルチミネラルを選ぶ際には、ミネラルの配合種類が多く、栄養機能食品のサプリメントを選択するとよいでしょう。
栄養機能食品は、特定の栄養成分の補給のために利用される食品です。すでに科学的根拠が確認された栄養成分を一定量含んでいれば、栄養成分の機能表示が可能なため身体にどのような効果があるのかを確認できます。

ミネラルでは、亜鉛、カリウム、カルシウム、鉄、銅、マグネシウムの6種類が機能表示可能な栄養素です。

ここでは、ミネラルをサプリメントから取り入れたいと考える人へ向けて、マルチミネラルの飲み方や注意点について説明します。


マルチミネラルの飲み方

マルチミネラルの飲み方は、表示されている摂取方法にそって飲用します。特別な指示がなければ、水やお湯で飲むことが基本です。
サプリメントは食品であるため、医薬品のように服用時間は定められていません。1日1回、または複数回にわけて飲用しましょう。

ただし、マルチミネラルに含まれるミネラルの種類によっては飲むタイミングに留意する必要があります。
カルシウムやマグネシウムはもともとアルカリ性の性質を持っているため、食後すぐに摂取してしまうと胃酸を中和し消化不良を起こす可能性があります。
マルチミネラルの効果を感じるためにも食後2~3時間は避け、食事前、就寝前などに摂るようにしましょう。
なお、体内のマグネシウム濃度は、早朝や午後3~5時に低下する傾向があるので、マグネシウムを含むマルチミネラルは、そのタイミングに合わせて飲むのが良いでしょう。


マルチミネラルを取り入れる際の注意点

マルチミネラルを食生活に取り入れる際には、摂り過ぎによる過剰症や中毒に注意が必要です。
過剰摂取を防ぐためにも表示された1日の摂取量をしっかりと守ります。

また薬を服用している人は、組み合わせによっては薬の作用を阻害してしまう可能性もあるため、摂取する際にはかかりつけ医師や薬剤師に相談してから服用をはじめると安心です。
注意点に配慮しながら安全にマルチミネラルを食生活に取り入れましょう。

まとめ


本記事ではミネラルの栄養素や効果、マルチミネラルの飲み方や注意点についてお伝えしました。
健康な身体を保つために基本となるのは、毎日の食生活です。
そのなかで私たちの身体において、ミネラルは様々な調整をしてくれる欠かせない存在でしょう。
不足が心配される場合は、ミネラルの栄養素や特性などを理解したうえで、マルチミネラルを効果的に利用していきましょう。

※本記事は管理栄養士監修のもと作成しております



一覧に戻る